社団法人 空知歯科医師会

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健口豆知識
   健康豆知識・情報記事を掲載しています。
 気をつけたい「大人の虫歯」事情


間隔をあけた規則正しい食習慣が大切

 子どもの頃、歯医者さんで治療してもらった虫歯。「神経もとったので虫歯になるはずはない」などと勘違いしている人もいるかも知れませんが、実はこうした治療済みの歯こそ、大人で虫歯になるリスクが高い要注意の歯なのです。
 虫歯は、甘いお菓子やジュースが好きな子どもの病気というイメージがありますが、大人にも多くみられます。むしろ最近は、フッ素入り歯磨き剤の普及などで子どもの虫歯は減少しているのに対し、大人では虫歯の有病率が逆に増えていることを示すデータもあるくらいです。

歯周病と同様、虫歯も「歯垢(しこう)」が原因となって起こります。我々の口の中にはたくさんの種類の細菌がいますが、これらの細菌がかたまりになって歯にくっついたものが歯垢です。歯垢中に含まれる虫歯菌は、口の中に入ってきた糖を糧に繁殖しますが、そのときに酸をつくります。この酸が、歯の表面のエナメル質、さらには内側の象牙質などを溶かして、いわゆる「虫歯」を引き起こすのです。

かって治療した歯や歯はと歯ぐきの境目の虫歯が多い

 もっとも一口に虫歯といっても、子どもでは、健康な歯の表面のエナメル質や隣の歯との隣接面が侵されることが多いのに対し、大人によく見られるのは、かつて治療した歯が再び虫歯になるケース。この場合、昔の治療で入れた詰め物と歯の間にできたすき間などから菌が侵入して虫歯ができるため、気づきにくいのが問題といえます。

 特に、虫歯になったのが神経を抜いている歯であれば、どんなに虫歯が進行しても痛みは感じません。当然、虫歯になっても詰め物など見た目に変化はないので、かなり奥まで進行して初めて気づくことも少なくないのです。「歯の詰め物がとれたり、ゆるんできたような場合、何らかの問題が起きている可能性があるので、必ず歯科医を受診するべきです」。

 また大人では、歯と歯ぐきの境目も虫歯になりやすい危険ゾーンです。歯と歯ぐきの間には歯垢がたまりやすいのもその一因ですが、年をとるにつれ、歯を支えている「歯ぐき」が少しずつやせていくため、歯の根(歯根)が露出して虫歯ができやすくなります。歯の表面のエナメル質は歯肉に近づくにつれだんだん薄くなるので、歯ぐきが後退すると、軟らかい組織である象牙質がむき出しになってしまうからです。

就寝前の飲食やダラダラと間食を取るのは避けよう

 では、大人が虫歯にならないための予防のポイントは何でしょうか。もちろん虫歯予防では、歯周病と同様、歯垢を取り除くための正しい歯磨きが大切なのはいうまでもありません。しかし、さらに重要なのは、意外なことに、「ダラダラと間食を取ったり、口の中にいつも食べ物が入っているような状態は避け、3度の食事を規則正しくとって、食事と食事の間隔をあけること」にあるのです。

 私達の口の中は通常、ほぼ中性に近い状態にありますが、食事をするとそのたびにpHは下がり、酸性になります。これは、食べ物に含まれる炭水化物が唾液で分解されて糖になり、それらを虫歯菌が利用することで酸が発生するためです。

 口の中が酸性になると、歯のエナメル質からカルシウムやリンが溶け出すいわゆる「脱灰」が始まります。しかし、唾液には、酸性に傾いた口の中を中性に戻す「緩衝能」があるので、これによって唾液中などに溶け出したリンやカルシウムは再び歯の表面に沈着し、エナメル質が修復される「再石灰化」が起こるのです。

 つまり、私達の口の中では、この脱灰と再石灰化が常に繰り返されていて、歯の状態が保たれているのです。ところが、ダラダラと間食をとったり、糖分の多い缶コーヒーなどの甘い飲料を頻繁に飲んでいると、口の中は酸性に傾いたままになってしまうので、虫歯が発生しやすくなるのです。

 間食をするならなるべく時間を決め、糖分の少ないものを食べるなど、口の中のpHをできるだけ下げない工夫が必要です。また、「唾液の量は、就寝後は減少します。したがって、就寝前に飲食すると、口の中のpHが元に戻るのが大変遅くなるので、これも避けることが大切です」。


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 歯みがきをするとインフルエンザが減る!

 NHK ためしてガッテン(200621日放送)

 ある介護福祉施設では、2年前に週1回、歯科衛生士が高齢者を対象に口腔ケアを実施しました。歯みがきや舌みがきの指導、歯垢の除去を行ったところ、口腔ケアを実施しなかった施設と比べて、インフルエンザの発症率が10分の1に激減したのです。

 歯磨きをすると、なぜインフルエンザの発症率が低下したのか。

 インフルエンザが細胞内に侵入して増殖するには、あらかじめウイルス表面の突起が切られている必要があります。その突起を切る役割を持つのが、「プロテアーゼ」という酵素です。

 酵素は気道の上皮細胞でも作られていますが、口腔内の細菌も作り出すことが分かっています。そこで歯磨きや口腔ケアによって口腔内の細菌を減らしたところ、唾液中のプロテアーゼ量が減ることが確認され、さらにインフルエンザの発症も抑えられたのです。

 このことから、歯周病原菌をはじめとする口腔内の細菌が、インフルエンザ感染を手助けしているのではと推測されています。

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 歯ぎしり
「歯ぎしりをして悔しがる」などとよく言いますが、歯ぎしりは通常は睡眠中に起こり、上下の歯を臼ですり合わせるように動かすグラインディング運動(臼磨運動)・噛みしめ・連続的な噛み合わせなど、いくつかのタイプがみられます。

 歯の臼磨運動ではギリギリという音を出ますが、噛みしめではほとんど音が出ません。また連続的な噛み合わせでは、カチカチといった音が出ます。日常、多くみられる習慣的な歯ぎしりでは、臼磨運動と噛みしめが混ざったものがよくみられます。

 睡眠中に常習的に歯ぎしりする人は多く、全人口の5%以上にみられるといわれます。特に若年者に多い傾向があり、学童の場合は10〜20%に発生すると報告されています。こうした歯ぎしりは周囲を悩ませるものの、重大な障害は通常起こりません。しかし、歯ぎしり症状が極端に強くて頻発するような場合は、歯のエナメル質が摩耗して痛くなったりするため、専門的な治療が必要になります。

 歯ぎしりの原因ははっきり分かっていませんが、小児期の咬み合わせ不良や、遺伝的な素質、覚醒機能の障害などの種々の要素が複合的に絡んでいるものとみられます。覚醒機能の障害というのは、脳幹部の覚醒中枢の発達の遅れによるもので、夜尿や寝ぼけ、夢遊症状などの一因にもなります。通常は睡眠中にこうした異常症状が起こりそうになると覚醒機能が働いて覚醒し、異常症状を抑制するのですが、覚醒機能の障害があるとそうしたコントロールがうまくできないのです。

 その他、精神的なストレスも歯ぎしりの誘因になると報告されています。ただし、精神的なストレスが強くても、歯ぎしりをしない人もいます。精神的なストレスが誘因になる人は、もともと咬み合わせ不良や、遺伝的素質、覚醒障害などの複合的な要素がベースにあるものとみられます。



 歯ぎしりが極端に強くて治療の必要がある場合は、歯型をとってマウスピース様のものを作り、睡眠中に口腔内に装着する方法がよく行われます。



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 歯周予防が健康な心臓につながる

 歯を磨き、デンタルフロスを使い、定期的に歯科検診を受けることが、心血管系の健康維持によいという証拠が多く出てきている。

 歯茎の疾患など慢性感染症がある場合、アテローム性動脈硬化症や冠動脈疾患のリスクが高いという。米国心臓協会(AHA)のスポークスマンRichard Stein博士は、心臓発作や脳卒中のリスクを心配する患者には、予防戦略として運動や健康的な食生活、適切な投薬治療に加え、歯周病の治療を取り入れるように忠告している。口腔内細菌により生じる慢性歯周病が炎症過程を引き起こし、炎症過程はコレステロールに富んだプラークの動脈壁への蓄積を促進するという。

 米国歯科医師会(ADA)のRonald Inge博士によると、口腔内の慢性感染症も、体の他の部分の慢性感染症と同じく反応系にストレスを与える。ストレスへの反応として血流中にさまざまな分子が送り込まれ、これら分子がプラークを作成すると説明する。

 専門家らの間では歯周と心血管系との関係は過去10年間知られており、この問題は拡大しつつある。フッ素のおかげで虫歯が減り、寿命も延び、歯周病が歯を失う主な原因となってきたためだという。

 歯茎に細菌が腰を落ち着けるのを防ぐ方法として、Inge博士は下記の助言をしている:

検診を受ける徹底的な口腔検査で、歯科医は歯周病を診断、その重症度がわかり、適切に治療できる。治療には、歯石除去や根面平滑化による細菌除去、抗生物質の投与がある。

定期的に歯を磨き、デンタルフロスで歯間を掃除するより頻繁に食物を歯から除去するほどよい。定期的な歯のクリーニングは、口腔内細菌が必要とする栄養分を奪う。

間食しない間食のたびに細菌に新鮮な食べ物を運んでやることになる。どうしても間食するなら、粘着性が低く、歯にくっつきにくいものにする。

 歯茎に感染を生じるには歯が必要で、総入れ歯の人はこの問題を気にしなくてもよいという。しかし多くの人が歯を保ち、なおかつ心臓や動脈も健康に保ちたいと願っており、口腔の健康状態を保つことが、両方の目的を達するという。Stein博士は「歯の手入れも、健康と生活の質の一部で、これが心臓を守ることにもなる」と述べている。

Yahoo!ヘルスケアより転載)


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 歯周病と糖尿病の深い関係が明らかに

 監修:西村 英紀=岡山大学大学院歯周病態学分野助教授

 歯周病は、歯の周囲のハグキなどの組織に細菌が感染して起こる慢性的な感染症です。歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多い、という疫学調査が複数報告されています。

 なぜ、糖尿病の人は歯周病になりやすいのでしょうか。まだこの詳細な仕組みは解明されていませんが、血糖値が高い状態が続くと、体の免疫機能が低下してさまざまな感染症にかかりやすくなったり、糖分を多く必要とする歯周病菌が増殖しやすくなるためではないかと考えられています。

 さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化する、という逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。

 この関係が明らかになってきた背景には、歯周病が、糖尿病だけではなく、その前段階と言える「肥満」とも密接な関連があると分かってきたことが挙げられます。ある調査では、肥満の人に歯周病が多いということも報告されています。

 肥満の人の内臓脂肪には「TNF-α(腫瘍壊死因子)」という物質がたくさん発現しています。この物質は、白血球の一つ、「単球(マクロファージ)」からも分泌されて、炎症反応を活発化させるのに重要な役割を果たしていることが分かっています。

 つまり、肥満の人は、常に体内が炎症状態にあると言えるのです。こうした場合に何らかの感染症にかかると、さらに全身の炎症がひどくなるとみられています。歯周病も感染症なので、より炎症が悪化するというわけです。なぜこうしたことが起こるのか、はっきりとは分かっていませんが、私が診ている患者さんの中にも、「風邪のときにハグキの腫れがひどくなるようだ」と話す人もいます。

 歯周病菌が、歯とハグキの間の溝である「歯周ポケット」から簡単に血液中に入り込んでいくことも大きな問題です。歯周病菌が血液中に多量に存在すると、致命的な感染症を起こすこともあります。

 それに加えて、歯周病菌の死骸が「内毒素」と呼ばれる多量の毒素をまき散らすことが、血糖値にも悪影響を及ぼします。血液中の内毒素は、脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を強力に推し進めます。TNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。

歯周病治療で糖尿病も改善

 インスリンの働きが悪くなると、血糖値が下がりにくくなります。つまり、歯周病も肥満も、TNF-αの分泌を活発にすることで血糖値のコントロールを悪化させ、結果的に糖尿病の発症につながる可能性があると考えられるのです。

 実際、私たちのグループで、歯周病を合併した糖尿病の患者さんに、抗菌薬を用いた歯周病治療を行ったところ、血液中のTNF-α濃度が低下するだけではなく、血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値も改善するという結果が得られています(図)。

 ただし、覚えておいていただきたいのは、現在の歯周病治療は、その進行を抑えることしかできないということです。歯肉炎と呼ばれる状態であれば、口腔ケアによってハグキを元の状態に戻せますが、歯周炎になってしまうと、ハグキの状態は元には戻りません。

 歯周病菌は歯周ポケットと呼ばれる歯とハグキの間の溝にはびこるので、薬を飲んでも薬剤はなかなか歯周ポケットに出て行きません。したがって、予防に努めることが重要です。口腔ケアも自分一人できちんと行うのは難しいと言われています。このため、健康な人でも、半年に一度は歯科医を受診し、歯のケアを受けるようにしてください。



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 肥満の人は歯周病にかかりやすい
脂肪細胞の分泌物質が重症化促進

 肥満の人は普通体重の人に比べて、歯周病に約1.5倍もかかりやすい

今年1月に開かれた日本疫学会では、このようなショッキングな研究結果が、大阪府立看護大学総合リハビリテーション学部の吉田幸恵氏らの研究グループにより報告されました。

 歯周病は、40代では80%以上の人がかかっている非常に有病率の高い病気で、中高年者が歯を失う最大の原因になっています。最近は、単なる歯の病気としてだけでなく、糖尿病や心臓病など全身性の疾患とも密接な関係があることも明らかになってきました。

 吉田氏らが調査の対象にしたのは、大阪府内の事業所に勤める2059歳の健康な男性1470人で、糖尿病にかかっておらず、歯周病の検査を受けた人達です。肥満度の評価は、BMIBody Mass Index)を用いて、「体重(kg/身長(m2」により算出しました。BMI25以上の人を「肥満者」、18.5未満を「低体重者」、その間を「普通体重者」とし、唾液中の血液濃度により歯周病を判定しました。

 この結果、肥満者(389人)の16.8%、普通体重者(1033人)の11.5%、低体重者(49人)の8.2%が歯周病にかかっていました。BMIと歯周病罹患との関連について分析したところ、肥満者は普通体重者に比べて歯周病にかかるリスクは1.55倍になり、年齢や喫煙習慣による影響を調整した後も、1.49倍と統計的に有意な差が認められました(図)。

 この傾向は、年代毎に見ても同様で、歯周病にかかる割合は、低体重者、普通体重者、肥満者の順に高くなりました。

 脂肪細胞から分泌されるTNF-α(腫瘍壊死因子)という物質は、骨吸収を促進する作用があることが知られています。このため吉田氏らは、肥満の人では脂肪組織が分泌したTNF-αが歯槽骨の吸収にも関与し、歯周病を重症化させているのではないか、と推測しています。

 これまで歯周病の危険因子として、加齢や糖尿病、喫煙などが知られていますが、今後は肥満にも注目する必要がありそうです。



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 口臭の原因と対策

口臭
いくら綺麗にしている口腔内にでも、数百万の
バクテリアが存在しています。これらのバクテリアは食べかすを腐敗し、その時に発生する匂いが口臭の大きな要因となるのです。口臭の8090%以上が、口腔内から発生します。口臭の原因となるいくつかの状況をここに紹介します。

口腔衛生を上手に行っていない事が第一の口臭の原因です。定期的に歯磨き、フロッシングをしていないと、歯周病の原因菌を口腔内に放置する事にもなりますし、口臭を放つ原因にもなります。歯周病にかかると、バクテリアが歯垢の下やポケット(歯と歯茎の間の深い溝)内に隠れて歯を溶かしだします。これらの部分は清掃しにくく、バクテリアは口臭の原因になる硫化ガスを生み出す結果になりますので三角ようじや歯間ブラシで取り除いてください。

口臭の原因となる食べ物もあります。例えば、にんにく、生のたまねぎ、キャベツ、卵、ブロッコリー等これらの食べ物は、それぞれ硫黄を含んだ食物で、食後、体内に吸収されます。臭い物質は肺まで達し、会話中や、呼吸時に放たれます。食物に関する口臭の原因は、この硫黄なのです。

肉や牛乳も、食べた後、口腔内を清潔に保っていないと、口臭が発生します。


時間とともに揮発性硫黄化合物の量は増える


通常バクテリアは、口臭の一番の原因です。そして、硫黄が口臭のもう一つの原因といえるでしょう。口腔内のバクテリアは、舌や歯に残った食べ物のかすを餌にしています。歯科医師はこの嫌な臭いを放つ物質を「揮発性硫化化合物」もしくは、VSCと呼んでいます。

乾いた口にはより口臭を生み出しやすい環境があるといえるでしょう。それは硫化化合物の原因となるバクテリアにとってとても好ましい環境なのです。唾液は口臭に対して抗菌作用があります。バクテリアや食べ物のかすを洗い流し、硫黄成分を溶かします。唾液は自然のマウスウォッシュと呼ぶ事ができます。

「寝起きの口臭」は乾いた口が原因だといえます。いびきをかく人や、寝ている間口で呼吸する人はもっと悪い状態です。

同様に、ダイエット、断食、長時間の会話も唾液を減らし、口臭の原因となるバクテリアの増殖を招きます。

喫煙も口を乾いた状態にします。さらに、多くの人に好まれないたばこの残り香を残します。

残念なことに、あなたの息を爽やかな状態にするであろうと思われる、多くのマウスウォッシュはアルコールを含み、口を乾いた状態にするという反対の効果もあります。

ストレスや緊張感も口臭の原因です。かつて緊張しているとき「口が乾いているな」と気づいたことはないでしょうか?

バクテリアは舌の上で繁殖します。口腔内のバクテリアの50%は舌の上に存在しているのにも関わらず、ブラッシング時に、舌を綺麗にする人は少ないのが現状です。



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 あなたは口臭がありますか?
家での4つのテストで今すぐ知ることができます!
口臭テスト
口臭とは英語で(halitosis:ハリトシス)と言いますが、口臭とは自分ではほとんど気づかないものです。口の前に手をおいて息を吐き鼻で吸ってみても口臭は計る事ができません。口臭は人が話しをする時のみ感じる事ができます。

ここにあなたに口臭があるかどうかを調べるためのいくつかの方法を紹介いたします。

片方の手で舌を前方に引っ張り、もう片方できれいなコットンの玉を使って約15秒間舌を拭きます。数分間待ってからそのコットンの玉のにおいを嗅ぎます。もしそれが臭かったらあなたに口臭があるということになります。

数本の奥歯をフロッシングします。数分間待ち、フロスのにおいを嗅ぎます。そのにおいがあなたの息のにおいです。

あなたの口の中は嫌な味がしませんか?もしそうなら、それは口臭があるかどうかの手がかりとなります。

信頼できる友達や家族から正直な答えを求めてください。その事実はあなたに気まずい思いをさせるかもしれませんが、そうすることで改善しようという気持ちになることができます。


しかし、それらの方法を使っても完璧に調べることは出来ません。あなたの息が、嫌なにおいがするかどうかを明確に調べるには、歯科医院に行くのが一番です。まず歯肉が健康かを調べ、唾液のレベルをテストします。その後で、口腔内の嫌な臭いのもとである硫黄化合物の揮発するレベルをハリメーターと呼ばれる口臭測定装置で測ります。これらの方法であなたの通っている歯科医院は口臭測定を行っています。

「もし、口臭がなかなか治らずその人自身や周りの人を不快にするようなら、ドクターや歯科医院で診てもらうべきです。」とワシントン口腔医療大学で助教授をしているビートリック・ガンダラ氏は言っています。慢性の口臭はしばしば歯を無くす歯周病の兆しともなります。そのうえ、口臭は他の健康問題にもつながります。これらの理由から、口臭は決して無視することができないのです。



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 口臭が気になったら

口臭は虫歯、唾液量の減少、食物、飲み物、タバコ、薬あるいは病気などが原因で起こります。

治療法:
口臭の原因が虫歯、歯周病、薬によって起こっている場合は医師に相談する必要があります。そして、もし口腔内に問題がある場合は、医師は感染を抑え、歯の清掃をし、歯肉の健康を取り戻す治療を行ないます。医師は、あなたに口腔内の衛生管理の強化を薦めるでしょう。一日に2回は歯磨き、フロッシングを行ってください。もし口臭の原因が口腔内になければ、医師は食物や飲み物の種類を制限することを薦めるでしょう。

口臭をなくすためには口臭の原因となるものを取り除く必要がありますが、一時的に口臭を抑制するためのものがいくつかあります。洗口剤やマウススプレー、清涼食品なども口臭を抑えるのには効果的なものです。その他に最近では食品などでの口臭抑制効果の研究が進み、普段私たちが口にするお茶が口臭を抑えるのによいということがわかってきました。実は、お茶に多く含まれているカテキンという成分が、口臭を抑えることが確認されたのです。カテキンとは茶葉に最も多く含まれている渋みの成分のことで、お茶を一日何度も飲むことによってある程度、口臭を抑えることができるといわれていますが、現在お茶の中のカテキンそのものを抽出して健康食品として市販されているものもあります。



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 全身の健康も考えて、歯周病を予防しましょう

「歯周病」とは、細菌(歯周病菌)の感染によって、歯ぐきなどの組織に炎症が起きる病気です。最近、歯周病は口の中の問題だけではなく、さまざまな全身性の病気とも深くかかわっていることが明らかになってきました。

 歯周病菌がつくる毒素や炎症を引き起こす物質は、歯周病の病巣から血液中に入り、全身に影響を及ぼす可能性があります。実際これまでにも、口の中の慢性的な炎症や歯周病菌と、糖尿病・心筋梗塞・肺炎・低体重児出産――などとの関連性が報告されています。

 歯周病についての正しい知識を持ち、歯周病菌が媒介となって起こる体へのさまざまな影響を考えて、口と歯のケアに努めることは、重要です。




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 歯周病菌は、動脈硬化にもかかわる!!
東京歯科大学微生物学講座教授 奥田 克爾


 歯の周囲を中心に、口腔内からは何と500種類以上もの細菌が見つかります。このうち、虫歯や歯周病の原因となる菌は、虫歯や歯周病だけでなく全身の健康にも害を及ぼし、場合によっては、心臓病など命を奪う病気にも関与していることが最近明らかになってきました。

 歯周病は、歯と歯ぐき(歯肉)の境目に「歯垢」がたまることによって、その中の細菌が感染し、歯肉に炎症を引き起こすものです。歯垢は、食べ物のカスなどと誤解されがちですが、細菌のかたまりであり、歯垢1mg中には何と1億個もの細菌が存在しています。そして、歯垢中の細菌は、唾液中のアミノ酸や食物由来のスクロース(砂糖)などを栄養源として取り入れ、ネバネバした「バイオフィルム」を形成して、集団ですみ着いているのです(写真)。

 歯周ポケット内細菌のほとんどは、グラム陰性桿菌とスピロヘータです。これらの細菌は、バイオフィルムの中では睡眠状態で静かにしていますが、何らかの原因で血流中などに入り込むと、より強い病原性を持つようになります。

 もちろん健康な人では、血液の中にこれらの細菌が少し入ったとしても、免疫系の働きにより、速やかに駆逐されてしまうので問題はありません。しかし、血流に入り込む菌の数が多かったり、癌や糖尿病の患者さん、高齢者など免疫力が低下している人では、致命的な感染症になることがあります。

 また、心臓の弁膜に障害がある人では、血流中に入った細菌がその部位に付着して増殖し、バイオフィルムを形成して、細菌性心内膜炎を引き起こすことが知られています。


 特に歯周病になって歯周ポケットが深くなると、細菌は血流中に侵入しやすくなるので注意が必要です。歯周病のある人では、歯磨きをしたり、食事中にものを噛んでいるときでも、歯周ポケット内の細菌が歯肉の上皮を通り抜け血管内に入り込んでいます。

 疫学研究によると、歯周病にかかっていたり、歯周病で歯を失った人は、歯周病にかかっていない人に比べて心筋梗塞が多いことが明らかにされています。また、歯周病菌が動脈硬化に関与することを示す研究結果もいろいろ報告されています。

 例えば、歯周病菌が動脈硬化部位に見つかるという事実は、カナダや北米の研究グループから報告されています。また私たちは、腹部動脈瘤の部位に、歯周病菌の1種であるTreponema denticolaというスピロヘータを見つけました。培養細胞を用いた実験では、この細菌が血管内皮細胞に侵入できることも明らかにしました。

 ほかにも、心臓の冠状動脈の狭窄部位に歯周病菌が存在するかどうか、51人の患者を対象に調べた我々の研究では、5種類の歯周病菌のDNAが狭窄部位の血管内壁プラークから見つかっています(図)。冠状動脈狭窄部位からの歯周病菌の検出率は、患者の歯周ポケットの深さと関連することも分かりました。このことは、歯周ポケットが深くなるほど、血液中に侵入する歯周病菌が多くなっていることを示しています。

菌の毒素成分が動脈硬化を起こす

 では、歯周病菌はどのように動脈硬化性疾患の発症や進展にかかわっているのでしょうか。その一つとして、歯周病菌が作り出す毒素成分(内毒素)がかかわっている可能性が挙げられます。内毒素は、好中球やマクロファージといった免疫細胞に取り込まれて血液中を運ばれ、血管壁などで炎症性サイトカインの産生を促し、コレステロールの沈着や細胞傷害などを起こすのではないかと考えられています。

 したがって、動脈硬化、ひいては心筋梗塞などの発症を防ぐためにも、歯周病原性細菌の温床となる歯周ポケットを極力なくし、歯周病の予防と治療に努めることが大切といえるのです。

 なお、口腔内の細菌が形成するバイオフィルムには、抗菌薬は浸透することが容易にできないため、中の菌を簡単に殺すことができません。また、私たちの体の免疫反応も、バイオフィルムに対しては、歯が立ちません。

 したがって、歯周ポケットが深くなっている場合、歯周病の治療を受けなければなりません。さらに日ごろから、歯磨きなどで手間隙かけて、機械的に歯垢を取り除く必要があることを知っておきましょう。




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